もるしん備忘録

山崎銀之丞さんと池田成志さんのファンブログ

大隈重信(八重の桜・2013年)

【お気に入り度】

☆☆☆☆☆

 

【人物紹介】

佐賀藩士。大蔵卿。外務大臣

作品内では明治14年の政変、東京専門学校(のちの早稲田大学)設立、新島襄同志社大学設立における資金援助、来島恒樹の爆弾による遭難事件などが扱われた。

41話、43話、47話、48話に登場。

 

【感想】

正義の擬人化。かっこいい。強靭な精神力を持っている。怒ってるシーンが多い。しかし全てはより良い国家を築くためであるんである。眼光が鋭くて一見怖いけど、実はとてつもなくお人よしで優しい、フレンドリーな人物。

口をぎゅっとへの字型に結ぶことで、大隈重信本人の大きな口を再現しています(多分)。

低音で、ゆっくりとした威厳ある話し方をする大隈さん。有名な「我輩~である」口調ではなく、全編佐賀弁で話します。

この佐賀弁が、怒る際に迫力を与えたり、また人と話す際には親しみやすさを与えたりと、大隈さんの魅力を効果的に増幅させています。方言大好き。成志さんが福岡出身なので全く違和感ないです!

大隈さんの登場は明治14年の政変からで、征韓論の時にはいません。

なぜ登場しなかったのかは謎。銀之丞さんの江藤さんと成志さんの大隈さんの共演見てみたかったなあ。すごく圧の強い肥前組になりそうだったのに(笑)。

 

一番好きなシーンは同志社設立にあたっての募金集会のシーン。大隈さんは多くの財界人を自分の邸宅に呼んで、新島襄に演説の機会をくれます。襄は大学教育の必要性を必死に演説するのですが、財界人たちはいまいちピンとこない様子。その時に大隈さんが一番初めに寄付を申し出てくれるのです!そして「財界ん方々はどがんですかな?西欧諸国では富めるもんが慈善を行うのは慣例ではあるとですが…」と促したことで(というかもはや威圧でしたが笑)、財界人たちは次々と高額の寄付を申し出、募金集会は大成功を収めます。喜ぶ襄の顔を見て、うなずきながら微笑んでくれる大隈さん。

この笑顔が本当に本当に優しくて大好きなのです!無事に募金が集まったことへの祝福と、「これから頑張れ!」という激励を含んだ、とても優しい笑顔。あの笑顔だけで大隈さんの人望や、人柄が伝わってくるようで見ていて泣きそうになりました。

そもそも大隈さん、襄の演説の前にも「率先して援助されたし!」と言ってくれているんですよね。この時点で、大隈さんは襄が上手く話せなかったとしても寄付するつもりだっただろうし、財界人たちにもなんだかんだで寄付させてただろうなと思います。

 

他にもいろんな場面からお人よしなのが分かります。

明治14年の政変で政府を追放された大隈さんですが、その後外務大臣として政府に戻るよう伊藤に交渉され、政界に復帰します。この時の伊藤の交渉の場面があるのですが、加藤虎ノ介さん演じる伊藤博文の態度がなかなかひどい(笑)。

大隈さんは礼儀正しく部屋の前で帽子を取り、一礼してから入るのですが、対照的に、椅子に座って葉巻をくわえて、足を組んだまま大隈さんにちらっと目だけ向けて迎える伊藤博文。完全に舐められている(笑)し、大隈さんも自分を追い出した伊藤の申し出を突っぱねようとするのですが、それでも「あんたしかおらんのです」と言われたらやれやれ…といった感じで申し出を受け入れてしまいます。頼まれたら断れない大隈さん!お人よし過ぎる。

あとは新島襄の募金集会後の宴会のシーン。襄と八重に財界人の2人が少し意地悪な絡み方をしてくるのですが(寄付してくれたはずなのになぜ悪人的な描かれ方なのか?笑)、話が終わった後すぐ襄に声をかけてフォローしてくれます。

よく周りの人の様子を見て、こういう細かい気配りをしてくれるからこそ、こんなにたくさんの人に慕われているんだろうなあと思います。さすが大隈伯。

 

そして遭難事件の描かれ方もすごい。

大隈重信は外務省正門前で来島恒喜に爆弾を投げつけられ、右足切断の大けがを負います。なんと大隈さん、大けがを負ったのにもかかわらず来島を睨みつけ「ばかもんが!」と一喝。この状況でそれが言えてしまうのが大隈成志!とてつもない精神力です。八重の桜制作陣は大隈重信を何だと思っているのか!?(笑)

 

大隈重信というと野心家であったり、また時にはずる賢いといったイメージで描かれることもありますが、八重の桜はそれとは正反対といった感じ。斬新な大隈重信像だったと思います。こんなに凛々しくてまっすぐで、正義感に溢れた大隈重信はほかにないと思います!本当に大好きです。

 

ところで大隈重信は成志さんの出身校、早稲田大学創立者ですが、どんな気持ちで演じられたのかたいへん気になります。意外となんとも思ってなかったりするのかな(笑)。でも、どうやら演じるにあたってそれまでの話を一気見していらしたようなので、やっぱり普段よりも気合いを入れて演じていらっしゃったのでしょうか?私はそうだと信じたいです!!