もるしん備忘録

山崎銀之丞さんと池田成志さんのファンブログ

江藤新平(八重の桜・2013年)

【お気に入り度】

☆☆☆☆☆

 

【人物紹介】

佐賀藩士。明治政府司法卿。

作品内では征韓論争と小野組転籍事件が扱われた。

 33話に登場。

 

【感想】

とにかくかっこいい。気高い。崇高さの塊といった感じ。本当に素晴らしい江藤新平でした!

加藤雅也さん演じる板垣退助がはつらつとしてエネルギッシュなキャラクターであったのと対照的に、江藤さんは冷静沈着で思慮深いキャラクターとして描かれています。

江藤新平というと優秀な人物であるものの激しい性格で、時には感情的になって一人で突っ走ってしまう部分もあるといったイメージがありましたが、銀之丞さんの江藤さんは本人と真逆に近いキャラクターで驚きました。今までにない江藤新平像だったのでは?と思いますが、江藤さんの根底にある、民のことを何よりも思いやるという芯は本人そのもの!

 

出番は1話だけですが、節々の演技から江藤さんの性格が読み取れます。特に好きなのは、征韓論に敗れ、西郷隆盛板垣退助副島種臣に続いて部屋を出ていくシーン。征韓派の中では最後に部屋を出ていくのですが、他の人物は怒ってすたすたと部屋を出ていったのに対して、江藤さんだけは一瞬立ち止まってゆっくりと出ていきます。表情も、怒りというより呆然としているといった感じです。力なく部屋を出ていく江藤さんの様子からは、本当は全員で協力して良い国家を築いていきたかった、こんなはずではなかったといった無力感ややるせなさが伝わってくるようで、見ていてとても切なくなりました。

 

残念ながら江藤新平は、佐賀の乱のイメージからか、武力で政権を奪おうと目論む、国家に盾突く反逆者として悪役じみた描かれ方をされてしまうこともしばしばあります。しかし八重の桜の江藤さんを見て、江藤新平をそういった人物だと捉える人はまずいないのではないでしょうか?常に人民のためを思い、どんな時も信念を貫き通す高潔な魂の持ち主として、素晴らしく江藤新平を演じて下さったと思います!

生きてるうちに銀之丞さんの江藤さんに出会えて、本当に良かった…。